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慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群

監修(執筆・文責など): さくまクリニック院長 医学博士 咲間 隆裕

慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群とは

慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群は、前立腺に炎症が生じ、尿道や陰嚢と肛門の間(会陰部)の不快感や残尿感などの排尿障害、射精時の痛みや勃起障害などの性機能障害と多彩な症状を呈する病気で、多くの場合いずれも強い症状ではなく、何となく感じるあいまいな症状のことが多いです。

慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群の原因

好発年齢は10歳代後半から40歳代の比較的若い世代に多く、はっきりとした原因は解明されていませんが、前立腺周囲の血流障害や慢性的な排尿障害、骨盤の神経異常(感覚過敏など)、内分泌的異常などが原因として推測されています。
症状の悪化因子としてデスクワークに起因する長時間の座位や慢性的な骨盤底への物理的刺激(職業ドライバーや自転車通勤者)などがあげられます。またそれ以外でもストレス、過度な飲酒、過労、緊張、刺激物の多量摂取なども危険因子として挙げられます。

慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群の症状

こんな症状はありませんか。

  • 排尿時や射精時に痛みや不快を感じる。
  • 尿道や陰嚢と肛門の間(会陰部)に違和感や何となく痛みがある。
  • 恥骨部ないし膀胱部から睾丸あたりかけての不快感がある。
  • なんとなく下腹部が重い感じがする

以上のような症状があるときは、慢性前立腺炎の可能性があります。

慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群の診断

慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群の診断は難しく、1回の診察で診断がつかないことも珍しくありませんが、以下の検査を組み合わせて行います。

NIH慢性前立腺炎症状スコア(NIH-CPSI)

慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群の症状の程度や治療の評価に用いられる症状スコアです。

慢性前立腺炎症状スコア(NIH-CPSI)の自己診断ツールはこちら

尿検査

尿検査は健康診断などでも行われる一般的な検査ですが、ここでは主に尿に炎症がないか、血尿がないか確認するために行います。

超音波検査

前立腺の腫れや内部の石灰化(前立腺結石)、前立腺周囲の静脈に拡張が見られるかなど検査し、慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群の所見として矛盾しないか総合的に判断します。

直腸診

肛門から指を入れ、直腸越しに前立腺の大きさ・硬さ、表面のなめらかさを確認します。すべての方に行う検査ではありませんが、慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群では前立腺に強い痛みを感じる場合があります。また直腸診後の尿検査で白血球の有無を調べることも有用です。

尿流量測定(ウロフローメトリー)

測定装置に向かって排尿することにより、尿の勢いや排尿時間を数値化して調べることで、排尿障害の程度が確認できます。

残尿測定検査

排尿した後の膀胱に残された尿の量を測定します。

慢性前立腺炎/慢性骨盤疼痛症候群の治療

慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群の原因がはっきり解明できていないため、治療も難しいのが現状です。生活指導と薬物療法を組み合わせることで症状の緩和を目指していきます。一度症状が改善しお薬が不要になっても、前述の悪化因子(ストレスが加わったなど)のため再燃したり、再発を繰り返すことが多いので注意が必要です。

生活指導

長時間の運転やデスクワークの方は、こまめに休憩を入れ、立ち上がったり歩いたりして血流がよくなるよう習慣を改善しましょう。飲酒は前立腺の腫れを悪化するため、出来る限り控えてください。適度な運動は効果的です。

薬物療法

薬物療法は重要ですが1つの薬だけでは効果が見られないことも多いため、病状などを考慮して数種類の薬を併用することで治療効果を高めます。最近ではUPOINT(U:排尿機能、P:心理社会学的要素、O:膀胱・前立腺の異常、I:感染の有無、N:神経症的要素、T:骨盤底筋群の緊張性)を考慮して、それぞれの患者様の病態に応じたきめ細かい治療が行われてきています。

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