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夜尿症

監修(執筆・文責など): さくまクリニック院長 医学博士 咲間 隆裕

夜尿症とは

おねしょとは、夜間に寝ている間に無意識のうちに排尿してしまい、布団や寝具をぬらしてしまう状態をいいます。赤ちゃんは毎日おねしょをしています。1歳を過ぎると少しずつ尿意がわかりだし、尿意を告げることが出来るようになってきます。昼間のオムツがはずれ、夜間のオムツもとれるようになっていきます。3歳では約60%、5歳で約80%の子供でおねしょがなくなります。夜尿症のお子さんが医療機関を受診するのは、ほとんどが小学校入学後ですが、7歳児の夜尿症のお子さんは10%程度とされ、その後年間約15%ずつ自然治癒していき、成人に至るまでにほぼ全例が治癒すると考えられています男。女比は約2:1で男児に多いとされています。

夜尿症の罹患率の目安
幼稚園年長時 約15%
小学校3年生 約8%
小学校5~6年生 約5%

夜尿症の多くは自然軽快していくことが多く、また夜尿が身体に悪影響を及ぼすものでないことから、放置されることが多い病気です。しかし、夜尿症のため学校行事に参加できなかったり、子供さんが自分に自信を喪失し、心理面、社会面、生活面に様々な影響を与えることがあります。なるべく早く治療を行って、少しでも早く治してあげることが必要ではないかと考えています。

夜尿症の診断

当院では夜尿症の診断で以下の検査を行います。夜尿がある子供さんの5~10%程度に夜尿症以外の病気がみつかることがあります。その他に問診、昼間の排尿記録、夜尿日記をつけてもらい、主な夜尿症の原因をつきとめます。

診察の流れ

初診時

問診票に夜尿の状態や睡眠時間などアンケート用紙に沿ってご記入いただきます。診察では腹部や腰部(仙骨部の触診)、尿検査、検査超音波検査、尿流測定などを行います。お子様に負担のない検査です。一連の検査で、尿路の奇形や夜尿の原因となっている基礎疾患の有無を確認します。

再診時

初診の診察後、採尿容器と排尿日誌をお渡しします。再診の際は、早朝尿を採取してご持参ください。尿比重、尿浸透圧を測定して、夜間尿の濃縮の有無を確認します。その結果と、初診後からつけていただいた排尿日記の記録を参考に夜尿の病型を判定します。

なお、治療中、よくなってきた夜尿が再発した場合や悪化した場合には、再度の早朝尿検査と排尿日記の確認が再度必要になります。

夜尿症の治療

生活指導はとても大切です。まず「起こさず、怒らず、焦らず」の3原則を守りましょう。それに加え規則正しい生活(夜更かし、寝坊をしない)、水分摂取リズムの調整、便秘への対応、昼間のおしっこ我慢訓練等を指導しています。生活指導で改善しない場合、小学生以上には夜尿症の原因に合わせて薬物療法やアラーム療法を行います。

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