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腹圧性尿失禁

監修(執筆・文責など): さくまクリニック院長 医学博士 咲間 隆裕

腹圧性尿失禁とは

急に立ち上がった時や重い荷物を持ち上げた時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が加わったときに尿がもれてしまうのが腹圧性尿失禁です。

腹圧性尿失禁の原因

女性の骨盤には、膀胱、尿道、子宮、直腸といった臓器があります。これらは骨盤底の骨盤底筋という、筋肉や靭帯の束によって支えられています。腹圧がかかっても尿がもれないように、骨盤底筋がそれぞれの方向に収縮することで尿道が閉鎖し、尿もれを防ぎます。しかし、この骨盤底の筋肉が出産や加齢、女性ホルモンの低下などによって骨盤底筋
がゆるんでしまうと、腹圧がかかった時にしっかりと収縮できなくなり尿道がうまく閉じず尿がもれてしまいます。

腹圧性尿失禁の治療

体重増加や激しい運動、便秘などは腹圧がかかるため尿もれを悪化させてしまう原因になります。腹囲減少や便秘改善など改善できる点がありましたら試してみましょう。

骨盤底筋トレーニング

骨盤底筋トレーニングで尿道のまわりにある外尿道括約筋や骨盤底筋群を鍛えるトレーニングのことで、実際に継続している行うことで腹圧性尿失禁はかなりの改善が期待できます。先に腹横筋のトレーニングを行うことを推奨するもあります(Sapsford, R. Arch.Phys.Med. Rehabil.82, 1081-88)。

腹圧性尿失禁に対して保険で認められている薬剤はβアドレナリン刺激薬のクレンブテロール塩酸塩「スペロペント®」です。骨盤底筋の筋肉の緊張を高め、尿もれを改善する効果があります。

骨盤底筋トレーニングやお薬による治療でも効果が不十分な場合は手術を考慮することになります。ポリプロピレンメッシュのテープを尿道の下に通してサポートするというTVT/TOT手術が長期成績も良好で、侵襲性が低いことでも優れています。

まずは症状の程度や他の病気の有無など確認するためにも、お困りの方や気になる方は泌尿器科の受診をおすすめします。

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