精液に血液が混じったら
[2022.05.08]
精液は精子と前立腺や精嚢(せいのう)からの分泌液で構成されています。その精液に血液が混入している状態が「血精子症」です。精液の大部分は前立腺や精嚢からの分泌液のため、出血部位の多くは前立腺や精嚢とされています。
30~40歳代の方が好発年齢ですが、20歳代や高齢者の方も珍しくありません。長期間の性的禁欲の後に発生することが多いという報告もありますが、関連があるのかははっきりしていません。
血精液症以外の症状がなく、明らかな原因が見つからない場合は、特に治療の必要はなく、通常は数週間以内に自然に解消します。一方、何らかの原因があって起こる場合は、精液の通り道(精巣上体・精管・精嚢・前立腺・尿道)の疾患、すなわち炎症・腫瘍・結石などの存在が考えられます。
実際の診察では超音波検査で前立腺・精のうに異常があるか調べます。検尿で血尿を伴う場合は膀胱や腎臓に異常がないか併せて調べます。中高年以上の方は前立腺癌の有無を調べるためPSAという腫瘍マーカーの血液検査を行います。
精液に血が混じる症状をご経験されると、とてもびっくりされ不安になると思います。前述したように特に問題ないことが多いですので、ご心配せず早めに泌尿器科を受診されることをお勧めいたします。