尿道カルンクル
監修(執筆・文責など): さくまクリニック院長 医学博士 咲間 隆裕
尿道カルンクルとは
尿道カルンクルとは、女性の尿道出口にできる良性のポリープです。大きさは小指の先程度より小さいことが多く、血管の成分が多いため色調は暗赤色になっています。
閉経以降の女性に多くみられ、女性の尿道腫瘍の中では最も多いとされています。
尿道カルンクルの症状
ポリープが小さい場合、まったく何も症状がない方もたくさんおられます。
症状のある方は、「排尿したあとに拭くとトイレットペーパーに血が付いた」「下着に血が付いた」といった訴えで来院される方が多いです。ポリープが大きくなると、尿道をふさいで排尿しにくくなることがあります。
尿道カルンクルの原因
明らかな原因は分かりませんが、閉経後の女性に多いことから、女性ホルモンが欠乏により尿道粘膜が脱出しやすくなり、そこに慢性的な炎症を起こしポリープ様になったものと考えられています。
尿道カルンクルの診断
視診で容易に診断できるため、台上診でポリープがあるのを確認します
尿道カルンクルの治療
無症状の小さな尿道カルンクルは治療の必要はなく経過観察となります。
出血などの症状はある場合はまず軟膏を塗って経過をみることが多いです。
腫瘍が大きくなり痛みや排尿困難などの症状が出る、症状が強くて気になる、出血を繰り返す場合は切除あるいは電気凝固による治療を考慮します。