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女性の泌尿器疾患

女性の泌尿器科疾患(女性泌尿器科)

女性泌尿器 病気別一覧

  1. 膀胱炎
  2. 過活動膀胱
  3. 腹圧性尿失禁

膀胱炎とは

「膀胱」は袋状の臓器で尿を溜めるところです。その膀胱に炎症が起こってしまうのが「膀胱炎」です。「膀胱炎」には女性に多い病気で、そのほとんどは尿道から大腸菌をはじめとする細菌が膀胱に入り込んで起こる急性(単純性)膀胱炎です。「膀胱炎」にはその他、慢性膀胱炎や複雑性膀胱炎、間質性膀胱炎、出血性膀胱炎などありますが、こちらでは最も頻度の高い急性(単純性)膀胱炎について説明します。

膀胱炎の主な症状

  • 排尿痛:排尿時の終わりに差し込むような痛みを生じます。
  • 頻尿:排尿回数が増え、トイレに行ったのにまたすぐトイレに行きたくなるようなことも多いです。
  • 尿の濁り:尿中に細菌と戦うために集まった白血球などが混入するため、尿が濁ります。

その他、血尿などを認めることもあります。発熱や左右どちらかの背中の痛みを伴う場合は腎盂腎炎の可能性があります。

急性膀胱炎の原因

基本的に膀胱内は無菌ですが、外尿道口(尿道の出口)から大腸菌などの細菌が侵入し、免疫力の低下などにより膀胱の中で細菌が増殖することによって起こります。膀胱炎が男性よりも女性に多くみられる理由として、膣と肛門が尿道口に隣接しているため細菌が侵入しやすい、男性よりも尿道が短く細菌が膀胱まで到達しやすいためと言われています。また他にも、トイレを我慢する機会が多い、生理や性行為によって膣などから細菌が移りやすい、妊娠や疲労など免疫力が低下する機会が多いなど、膀胱炎には数多くの原因を想定することが可能です。

急性膀胱炎の検査

急性膀胱炎の診断は患者さんとの問診および尿検査で診断がつくことがほとんどです。必要に応じて 尿中の細菌を培養して細菌の種類を特定する尿培養検査、特定された細菌がどの抗生物質に感受性(効果)があるかを調べる薬剤感受性検査を行います。膀胱炎を何度も繰り返す場合や、腎盂腎炎が疑われる場合は血液検査や超音波検査などを実施することもあります。

急性膀胱炎の治療方法は?

原因となっている細菌に対し有効な抗生物質を服用することで治療します。比較的短期間で完治する場合がほとんどです。

膀胱炎は非常にありふれた病気であり、適切な治療をすれば短期間で完治する、決して心配する病気ではありません。何か変だなと思ったら泌尿器科医の診察を受けることをお勧めします。

過活動膀胱

過活動膀胱とは?

過活動膀胱の症状は、「頻尿(トイレが近い)」「尿意切迫感」「切迫性尿失禁」の3つの症状です。どれか1つがあてはまれば過活動膀胱の可能性があります。40歳以上の12.4%に過活動膀胱の症状があり、その割合は年齢とともに増加していることが分かりました(右図)。日本の人口に換算すると、810万人の過活動膀胱の患者さんがいると推定されています。実際に悩んでおられる方は実は大変に多いのですが、恥ずかしいので我慢している方がほとんどです。悩んでいるのは、あなただけではありません。ひとりで悩まず、専門医に相談してみましょう。

過活動膀胱症状スコア(OABSS)の自己診断ツールはこちら

過活動膀胱の症状

  • 頻尿(トイレが近い)
    人がトイレにいく回数は、日中で5~7、寝ている間は0回が正常と言われています。日中が8回以上トイレにいき、夜間は1回以上トイレのために起きるなら、それは頻尿症状だと言えます。
  • 尿意切迫感
    人は、最初に尿意を感じてから1時間くらいはおしっこを我慢できます。しかし尿意切迫感は強い尿意が突然訪れるとともに、一度その尿意を感じると我慢することが難しく、トイレにかけ込まなければなりません。
  • 切迫性尿失禁
    ふいに尿がしたくなってその高まりが急なため、トイレに着くまで我慢できずにもらしてしまうのが尿失禁です。

過活動膀胱の原因は?

脳梗塞・脳出血などによるものを除けば、いくつかの原因が複雑にからみあって特定できないものや加齢によるものが、実際には最も多く存在しています。症状による診断だけでは他の病気(膀胱がんや結石、膀胱炎)との見分けができないケースがあるので、症状にお困りの方や気になる方は泌尿器科の受診をおすすめします。

過活動膀胱の治療は?

過活動膀胱の治療は、まず薬物療法を行うのが一般的です。抗コリン剤という内服薬でかなりの割合で効果が期待できます。また、膀胱訓練で排尿間隔を広げるようにもしていきます。尿意切迫感を感じても慌てずに深呼吸して、膀胱の収縮の波がおさまったところでトイレにいくようにしたり、骨盤底筋体操でこらえるコツをつかみましょう。毎日の生活の中でも、下半身を冷やさないようにしたり、水分摂取バランス(摂らなすぎたり、摂りすぎたりしないよう)に気をつけていれば尿のトラブルを軽減させることができるポイントがたくさんあります。

腹圧性尿失禁

急に立ち上がった時や重い荷物を持ち上げた時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入ったときに尿がもれてしまうのが腹圧性尿失禁です。女性の4割を超える2000万人以上が悩まされていると言われています。

腹圧性尿失禁の原因は?

女性のからだの中の骨盤には、膀胱、尿道、子宮、直腸といった臓器があります。

これらは骨盤底の骨盤底筋という、筋肉や靭帯の束によって、しっかり支えられています。しかし、この骨盤底の筋肉が出産や加齢、女性ホルモンの低下などによってゆるんでくると、膀胱や尿道がぐらぐらしてしまい、しっかり支えられなくなるので、尿道がうまく閉じずに、おしっこが漏れてしまうということが起きてきます。40歳以上の女性の8人に1人が腹圧性尿失禁の症状があると言われています。

腹圧性尿失禁の治療は?

軽い「腹圧性尿失禁」の場合は、骨盤底筋体操で尿道のまわりにある外尿道括約筋や骨盤底筋群を強くすることで、かなりの改善が期待できます。骨盤底筋訓練などでは改善しない場合、または不満足な場合はお薬による治療や手術となります。最近ではポリプロピレンメッシュのテープを尿道の下に通してサポートするというTVT/TOT手術が長期成績も良好で、侵襲性が低いことでも優れています。まずは症状の程度や他の病気の有無など確認するためにも、お困りの方や気になる方は泌尿器科の受診をおすすめします。

当院では骨盤底筋体操のパンフレットをお渡しし、指導を行っております。

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