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性感染症(性病)

異性/同性間での「性行為で感染する病気」を総称して性感染症といいます。一昔前までは「性病」と呼ばれていましたが、現在は「性感染症STI(STD)※」という名称で呼ばれるようになりました。
性感染症はウイルス、細菌、原虫などが、性器、泌尿器、肛門、口腔などに接触することで感染します。しかし、症状が軽かったり、なかったりすることもあり、気がつかない間に感染していることがあります。性感染症で重要なことは、自分のみの問題ではなく大切なパートナーにも感染させてしまいかねないということです。当院で対応可能な性感染症の病気別一覧となります。思い当たる行為や症状がある場合は診察にお越しください。
※STI(STD)とは、Sexually Transmitted Infections(Deseases)の略です。

性感染症 病気別一覧

  1. 梅毒
  2. クラミジア感染症
  3. 淋菌感染症
  4. 性器ヘルペス
  5. 尖圭コンジローマ
  6. トリコモナス尿道炎
  7. 性器カンジダ症

梅毒

梅毒とは

梅毒は梅毒トレポネーマによる性感染症で、近年爆発的に増加しております。今や、危険な性行為を行う特定の人達の疾患ではなく、ごく普通の性的活動で感染する疾患となっています。

潜伏期

約1か月(個人差あり)

感染経路

粘膜や皮膚の接触を伴う性行為(膣性交、肛門性交、オーラルセックス)などで感染します。

症状

梅毒は感染した後、その期間によって病状が異なります。

第1期(感染後約1か月)
感染した場所(陰茎など)にしこりや潰瘍ができます。
股のリンパ節が腫れることがあります。
治療しなくても、数週間で症状は消えます。

第2期(感染後約3か月)
手のひらや足の裏、全身に赤い発疹やぶつぶつができます。
治療しなくても、数週間から数か月で症状は消えます。

後期(感染後数年から数十年)
やわらかいゴムのような腫瘍が体中にでき(ゴム腫)、この時点でも治療を行わないと大動脈瘤、髄膜炎や神経障害(神経梅毒)などが生じます。

検査

血液検査(当院では迅速検査は行っておりません)
※感染したと思われる時から4週間以上経過していれば検査可能です。

治療

抗生物質の内服

クラミジア感染症

日本におけるクラミジア感染者数は100万人以上と言われ、感染者が一番多い性感染症です。クラミジア・トラコマティスという病原体が原因で、男性の場合は主に尿道炎を生じます。

潜伏期

1~4週間

症状

男性の場合、尿道がむずかゆくなったり、排尿時に軽い痛みがある程度です。尿道分泌物による下着の汚れで気付くこともあります。
治療しないと精巣上体炎、男性不妊症を起こします。

検査

男性の場合は尿や分泌液の遺伝子学的検査で診断します。血液クラミジア抗体を調べる検査は、過去に感染し、治ゆした人も陽性となることがあります。検査結果が出るまで約7日間必要です。

治療について

抗生物質が有効です。ガイドラインに準じた抗生物質を選択します。

淋菌感染症

「淋菌」に感染して起こる性感染症です。1回のセックスでの感染率が約30%と高く、また、淋菌に感染した人のうち、クラミジアに同時感染している人が20%~30%いると言われています。また、薬が効かない「耐性菌」が増えているため、正しい治療を受けなければ完治せず、次々に感染を拡げてしまう危険性があります。

潜伏期

2~7日

検査

男性の場合、尿や分泌液の培養検査をします。尿や分泌物で淋(りん)菌DNAを検査する方法もあります。また淋病に感染した方の25%くらいにクラミジアの感染が合併していますのでこれに関しては尿を用いてクラミジアの遺伝子検査をします。結果が出るまでには約1週間必要です。

治療

淋菌に有効な抗生物質を使います。薬の効かない「耐性菌」が増えているため、飲み薬での治療は効果がないことも多く、その場合は点滴による治療が必要になります。治療中の性交渉は厳禁です。

性器ヘルペス

性器ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスによる感染によって生じる性感染症です。単純ヘルペスウイルスには、1型と2型があり、性器ヘルペス感染症は、主に2型によって起こされますが、主に1型で起こる口唇ヘルペスのウイルスも、オーラルセックスなどが原因で性器にも感染するため、型による区別は出来なくなっています。
単純ヘルペスウイルスは一度感染すると体内(神経節)に潜伏し、疲労が重なったときなど、時に再活性して再発を繰り返します。

潜伏期

3~7日

症状

症状はないことが多いですが、性器に小さい水疱や潰瘍ができることがあります。

治療

抗ウイルス薬の内服や軟膏で治療します。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは性器や肛門のまわりに2~3mm前後のイボが多発する病気です。尖圭コンジローマが起こる原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染です。ほとんどがセックスやそれに類似する行為により感染する性感染症の一つです。他の性感染症と同様に、10代後半から30代、特に20代に多く見られます。パートナーなどへの感染を防止するためにも、積極的な治療が必要です。

潜伏期

数週間から3か月

診断

特徴的なイボを視診で確認します。

治療法

① お薬による治療

尖圭コンジローマ治療薬として世界の75以上の国と地域で使われている塗り薬(クリーム)が、日本でも2007年12月より健康保険が適用される薬として発売されました。自宅でイボに直接塗って治療することができ、瘢痕(傷跡)などを残す可能性が少ないですが、塗った部位の紅斑(赤み)、びらん(ただれ)、表皮剥離(表皮のはがれ)などの皮膚障害が高い頻度であらわれ、完治まで時間がかかります。

② 外科的治療

  1. 凍結療法 液体窒素で何回か凍らせて取り除く治療法です。
  2. 焼灼 電気メスでいぼを焼き除去する治療法です。
  3. 外科的切除 メスでいぼを切り取り縫合する治療法です。
  4. CO2レーザー蒸散

当院ではお薬による治療か液体窒素による凍結療法を行っています。

トリコモナス症

トリコモナス症はトリコモナス原虫という微生物が、男性の場合、尿道や前立腺、精嚢に入り込み、炎症を引き起こす病気です。主に膣性交により感染しますが、下着やタオル、便器、浴槽での感染する場合があり、性交経験がない方や幼児にも感染がみられることがあります。

潜伏期

1~3週間

症状

男性の場合、症状がないことが多く、あっても排尿時の痛み(違和感)や頻尿がみられる程度です。

検査

尿検査

治療

抗トリコモナス薬の内服

性器カンジダ症

カンジダはカビ(真菌)の一種です。性器カンジダ症はセックスで感染しますが、健常な方でも性器にカンジダを持っていることがあるため、性器からカンジダが見つかったとしても性器カンジダ症を発症しているとは言えません。発症には免疫力低下や抗生物質内服など、何らかの要因がある場合がほとんどです。

潜伏期

何年にも及ぶことがあります

症状

男性では亀頭、包皮のかゆみ・発赤、白いカスが付着します。
まれに尿道炎を引き起こします。

治療

治療が必要な場合は抗真菌薬の塗り薬で治療します。

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